左心房

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【i7】六弥ナギは大天使だと言ったな、あれは間違いだ【ネタバレ】

7月7日に更新されたアイドリッシュセブン第2部16章(NATSU☆しようぜ!スペシャルストーリー)を読んだ上で、六弥ナギの恐ろしさと三月くんとのコンビのバランス良さについて少々。

未読の方にはネタバレになる、というか読んでいないと訳が分からない内容なのでご注意下さい。

まあつまりナギかっこよ恐ろしいし三月くんとのコンビ最高というだけの内容です。

 

私は以前、【i7】大天使六弥ナギ:アイドリッシュセブン第2部【ネタバレ】 - 左心房の記事で何があっても折れない戦うナギすごい!かっこいい!大天使並みの光属性!的なことを書いたわけですが。

 

ナギは大天使どころではなかった。

その振る舞いはまるで神のようだった。

 

というのを、NATSU☆しようぜ!スペシャルストーリーを読んで感じました。

 

ナギは(多分)王族の、しかし跡取りではなく上に兄をもつ弟として生まれて、プレッシャーとは無縁か縁遠いところで、寂しくも何不自由ない暮らしをしてきたのでしょう。

ナギ曰く第5回打ち明け話から、そんな過去がうかがい知れます。

 

過去を振り返ってナギは寂しい生活だった的なことを言っていますが、それはサクラハルキやまじこな、アイドリッシュセブンの仲間達といった大切なもの・心を注げるものと出会ってから寂しいと気付いたのであって。

そしてそうと気付いたからこそ、不自由を知らない六弥ナギという人は不自由を全力で排除するんですね。もてる人並み外れた能力全てを以てして。

 

ナギは日常会話の中でぽろっと、当然のように自分に見合わない人間を切り捨てるようなことを言うんですね。

個人的に一番印象深いのは、小説版の『クーラーとパンツ』で出てきた「とても悲しいことですが、無能で凡庸な男性たちからはだいたい嫌われます」というセリフ。

ナギは世の中の女性と同じように男性とも普通に仲良くしたいと思っているのに、とってもシビアに相手を評価している。無能とか凡庸とか、普通はそうそう口にしないですよね。

自分の懐に入っていない相手には、とことん当たりがシビアであることが窺えます。しかもナチュラルに。

 

それと関連して。

二部の記者会見ではナギがアイドリッシュセブンの味方として戦ってくれて、三月くんが落ち込んでたところではファインプレーで三月くんのことを上手く励ましてくれたので、まるで圧倒的光属性の力で我々に加護する天使様か女神様のように見えたわけですが、

今回のスペシャルストーリーでNATSU☆しようぜ!が葬られようとしていることに気付いたナギは、真に戦犯とは言えない龍さん相手にとっても手厳しい意見をしています。

何もそこまで言わなくても、もっと穏便な言い方もあるんじゃないか、とちょっとハラハラするくらい。

 

TRIGGERはアイドリッシュセブンの良き兄貴分でありライバルであり友人であり、それはナギにとっても変わらないはずで、それなのにあの容赦ない態度。

あれは別に龍さんが心根の穏やかさから反撃出来ないと強く出たわけではなくて、相手が天くんだろうと楽さんだろうと八乙女社長だろうと厳しく言うべきことを言っていたでしょう。

 

自分が認められない、認めるに値しない相手にはとことん厳しく当たり、自分の大切なものを守るためには圧倒的な正しさでもって敵を裁く。

それって神様的な振る舞いだと思いませんか。

確かな力をもっていて、その力を振るうことに遠慮がない。

 

敵に回したらこれほど恐ろしい存在はいない六弥ナギ。

 

ですが、当然ながらナギは浮世離れしていようが神様ではないわけです。

甘えんぼで寂しがりでわがままなプリンスが、日本の、夢を追いかける一般的な青少年たちに混じって一緒に夢を追いかけているわけです。

そして生活の基盤からして全く違うナギが浮世から離れすぎないように手綱を握っているのが、他でもない三月くんなわけです。

 

三月くんはナギとは逆にアイドリッシュセブンの持たざる者代表と言えます。

メンバーの中では家庭環境はトップクラスに恵まれています(というか和泉家が普通なのであって、他面子が不憫すぎる)が、アイドルとしての分かりやすい技能面では一歩劣るところにいます。

初っぱなのオーディションでも紡ちゃんはムードメーカーとしての役割は期待しつつも、歌とダンスに関しては見劣りしているような感想でしたし。

何度もオーディションに落ち続けた事実、恵まれない体格のせいで歩幅が違うためダンスがみんなとずれていたり、ストーリー中いたるところで半歩及ばない和泉三月が描かれ続けてきました。

(だからこそ二部の、MCとしての才能を認められて〜のくだりや、落ち込んでいた三月くんがファンの存在に励まされるシーンが引き立ち、涙なしには見られないわけですが。トイレでこっそり泣く三月くんにこちらも号泣したしファンとしてマネージャーとしてずっと応援してきた私達の気持ちを代弁してくれたナギやファンの子の言葉に号泣したやばかった)

 

スペシャルストーリー序盤のグッズ争奪戦に負けたナギを励ます言葉なんか、気持ちを切り替える術を実践でいやというほど学んだ三月くんだからこそすらすら出てきた言葉ですよね。

本心でそう思わなくとも、いつまでもこだわっていても進めないから自分を納得させる逃げ道を知っている。

全力を尽くしたとしても全てが思い通り手に入るとは限らないという現実を知っている三月くんの言葉だからこそ、ナギの気持ちをおさめられるわけです。

 

三月くんの非常に現代日本に生きる人間らしい目線がナギを現代日本の一般市民たらしめてくれる。

 

いつかきっとナギが力をもっているからこそ躓くことがあったとしたら、そのときナギを立たせてくれる、あるいは引き戻してくれるのはやはり三月くんでしょう。

対照的だからこそ良いバランスが取れている。

互いに互いをリスペクトしているからこそ引っ張り合えるし支え合える。

 

ナギと三月くん、尊い。かわいい。微笑ましい。愛おしい。

 

そしてそんな二人を見守りそんな二人に引っ張られて駆け出せる大和さんという存在が加わってくるのが、ピタゴラス組の尊いところですね。